上顎前突症は、口元の印象を悪くする原因になります。
もし、あなたの上顎前突症が極端で、歯列矯正だけで噛み合わせの問題や、口元の様子を改善できない場合、外科手術による解決方法を考慮する必要があります。
その時、「手術したら、横顔はどのくらい変化するのだろう?」、「自分の問題を解決するためには、どの手術が必要なのだろう?」など、いろんな疑問が湧くはず。
そのため、ここでは、上顎前突の手術法と、それによる横顔の変化について説明します。これを読むことによって、どのタイプの手術法が必要なのか理解できるようになるはずです。
あなたの横顔をキレイに見せるための条件
E-ライン
E-ラインは、口元のバランスを評価するための指標です。鼻先と顎の先端を結んだ線(E-ライン)と、口唇との関係で口元の印象を判断します。
たとえば、鼻の頭と顎先に人差し指を触れた際、口唇がが押しつぶれない格好になっていれば、その人の口元のバランスが非常に良い、キレイな口元であるということです。
ただし、このEラインについての評価方法については、人種によって異なります。西洋人であれば、E-ラインに口唇がまったく触れない状態が理想です。なぜなら、日本人に比べて、西洋人の鼻は高く、顎先のカタチもしっかりしていることがほとんどだからです。
鼻下の角度
鼻と上唇との角度も、横顔の印象に大きな影響を与えます。
この部分の角度が小さいと、口元がひどく突出した印象になります。逆に、角度が大きいと、ひどく落ち込んだ、さみしい口元の印象になってしまうのです。
このように、鼻下部分の角度も口元および横顔の印象に大きな影響を及ぼします。そのため、キレイな口元を作るためには、前歯の位置や角度が非常に重要になってくるのです。
下顎にできるシワや溝
下顎の様子も、横顔の印象にとても影響を与えます。
たとえば、上顎前突症の場合、口唇を閉じるためには口元にチカラをいれる必要があります。そのため、下唇の下に深い溝ができたり、下顎の先端に梅干し様のシワができたりすることがあるのです。
そして、この口唇を閉じる際にできる溝やシワは、周囲の人にはとても違和感がある様子に写ってしまいます。そのため、口唇が楽に閉じられるように、前歯の位置や上顎前突の噛み合わせを整える必要があるのです。
上顎前突症を外科手術した場合の横顔に与える影響
ワスモンド法
ワスモンド法は、上顎の前歯を外科手術で引っ込める方法です。
前歯を引っ込めることによって、口唇がE-ラインに触れない格好にしたり、鼻下の角度を修正したりすることが可能になります。
また、このワスモンド法という外科手術は、前歯の露出度を調整することができる手術法です。そのため、歯茎の露出が問題になるガミースマイルがある上顎前突症の治療でも非常に効果を発揮します。
SSRO
SSROは、下顎を前方に拡大する外科手術法です。
それによって、E-ラインのカタチを改善したり、口唇が閉じやすい格好にしたりすることができます。なぜなら、前方に拡大することによって、下顎の位置を前方に位置づけすることができるからです。
そのため、上顎が突出しているタイプではなく、下顎が小さいことが原因で上顎前突症になっているケースにおいて、SSROは非常に効果的な治療方法と言えるでしょう。
オトガイ形成術
オトガイ形成術は、下顎の先端、つまり頤の形態を修正する外科手術です。
そのため、横顔の印象を効果的に改善できる手術法といえます。なぜなら、オトガイ形成術によって顎先を整えると、Eラインの状態が一気に改善するからです。
ただし、オトガイ形成術は健康保険の適用とはなりません。なぜなら、噛み合わせの改善を目的とするものではなく、容姿の改善を目的とするものと解釈されるからです。そのため、オトガイ形成術は、美容整形もしくは美容形成と見なされるのです。
まとめ
上顎前突症は、単なる噛み合わせ異常だけにとどまらず、横顔の雰囲気に悪影響を与えるということが問題です。
ただし、上顎前突症の口元を改善するために、外科手術が必ず要るというわけではありません。一般的な歯列矯正だけで、横顔の印象を改善できるケースも多いのです。
そのため、上顎前突症の口元を改善したいと希望している方は、精密検査を行って、外科手術が必要か否か適切に判断することがもっとも大切です。
ただし、その際はかならず、上顎前突症治療において実績のある歯科医院であることを確認したうえで、治療相談に行くようにしてください。