「矯正治療の治療費は、どの程度かかるのか」「自分の治療は、いくらくらいになるのか」
歯列矯正を思い立ったとしても、必要になる治療費が大まかにでも分からない限り、実際に矯正相談に行くことができないのは当然です。歯列矯正の費用はとても高価であることは、誰でも知っているからです。
しかし、歯列矯正の治療費用については、全国一律ではありません。なぜなら、歯列矯正は、自費診療で行われている治療だからです。
そのため、ここでは、自分の歯列矯正に必要な治療費を知るための手段だけでなく、歯列矯正の治療費用がいったい何によって決定されるのかについて説明しています。
これを読むことによって、歯列矯正の費用について理解し、安心して矯正相談に行くことができるようになるはずです。
「噛み合わせの状態」によって、治療費用が高くなる?
歯列矯正の治療費は、実は、噛み合わせの状態によって決まるのではありません。八重歯の治療がいくらで、口ゴボ(または、上下顎前突症)の治療がいくらという設定にはなっていません。
つまり、受け口の治療だから高い、もしくは、出っ歯の治療だから安いということではないのです。
そのため、「受け口だから、治療費が高くなるのではないか」「開咬症の治療費は、いくらくらいかかるのだろう」などと、心配する必要はまったくないのです。
「治療の難易度」によって、治療費用が高くなる?
治療の難易度によって、歯列矯正の治療費が変化するわけではありません。重度の出っ歯を治療する場合も、軽度の出っ歯を治療する場合も、基本的な治療費は変わらないのです。
つまり、非抜歯で治療するから安い、抜歯して治療するから高いというわけではないのです。しかし、治療の難易度が、歯列矯正の治療費に間接的に影響する場合があります。
なぜなら、難しいタイプの治療を行う場合、使用する矯正装置の数が増えたり、治療回数や治療期間が多くかかったりするからです。
そのため、「自分の出っ歯は重症だから・・・」「歯を抜いて歯列矯正する必要があるから、治療費が高くなるのでは・・・」などと、心配する必要はないのです。
歯列矯正の治療費用に直接的に関係するもの
噛み合わせの状態や治療の難易度が関係ないとすれば、歯列矯正の治療費は、何によって決まるのでしょうか?
それには、大きく2つの要因が挙げられます。それは、「歯列治療をうける地域」と「用いる矯正装置の種類」の2つです。以下では、この2つについて詳しく説明します。
どの矯正装置で、歯列矯正するのか
どの矯正装置を用いて歯列矯正を行うのかによって、治療費は大きく異なります。
たとえば、舌側矯正(または、リンガル矯正)です。歯の表側に矯正装置をつけておこなう通常の歯列矯正と比べて、歯の裏側に矯正装置をつける舌側矯正の治療費は、およそ1.5〜2倍と非常に高価です。
また、最近人気のマウスピース矯正の治療費も、比較的高価です。マウスピース矯正とは、ブラケットなどの矯正装置を歯に貼りつけず、マウスピースだけで歯列矯正を行う治療方法です。
このマウスピース矯正の治療費も、歯の表側に矯正装置をつけておこなう歯列矯正と比べて、およそ1.5〜2倍であることが一般的です。
どの地域で、矯正治療を受けるのか
歯列矯正の治療費は、地域によって異なります。なぜなら、歯列矯正はすべて自費診療(または、自由診療)だからです。
そのため、大都市部では治療費が非常に高く、地方では比較的安いという傾向にあります。中でも、東京都や愛知県は、もっとも治療費が高い地区であることが知られています。場合によっては、安い地区の治療費と比較して、2〜2.5倍の金額になっているようです。
また、歯科大学もしくは歯学部をもつ大学がある地域とない地域で、歯列矯正の治療費に差があることがわかっています。すなわち、歯科大学もしくは歯学部をもつ大学がある地域の方が、歯列矯正の治療費が安い傾向にあるということです。
たとえば、福岡県です。歯科大学および歯学部をもつ大学が、福岡県には全部で3校あります。そのため、大都市圏にもかかわらず、歯列矯正の治療費は比較的おさえられています。
その大きな理由として、歯科大学もしくは歯学部がある地域には、歯科医院が多くあることが挙げられます。そのため、歯科医院同士の価格競争が激しくなり、治療費がおさえられる格好になっているのでしょう。
治療費を、実際に確認する方法
歯列矯正の治療費については、簡単に確認することができます。自分が住んでいる地域の歯科医院が運営するホームページを探して、矯正装置ごとの治療費を確認するだけでよいです。
実際に、電話をかけて尋ねてもかまいません。ただし、1件だけでなく、複数の歯科医院を確認する必要があります。なぜなら、1つの歯科医院では、極端に高かったり、極端に安かったりするからです。
極端に安い治療費には注意!
矯正治療を受ける地域によって、歯列矯正の治療費はある程度決まっています。
そのため、「安い金額で治療できる歯科医院を、一生懸命に探す」という行為は、かしこい方法とはいえません。探すなら、安い金額の歯科医院ではなく、良い治療が受けられる歯科医院を見つけることに労力を注ぐべきです。
なぜなら、同じ地区で矯正治療を受けるのであれば、治療費には大差ないからです。もし、極端に安い治療費の歯科医院を見つけたとして、あなたは安心して治療を受けることができますか?
私は、できません。なぜなら、治療費を極端に安く設定する歯科医院には、それなりの理由があるはずだからです。それよりも、「安心して、治療を受けたい」「満足できる形で、歯列矯正を完了したい」ということを、重要視しているからです。
まとめ
「噛み合わせの状態」や「矯正治療の難易度」によって、治療費が高くなったり、安くなったりすることはありません。
ただし、歯列矯正の治療費は、用いる矯正装置の種類や、治療を受ける場所によって、大きく変動するので注意が必要です。
そのため、歯列矯正を考えている方は、歯列矯正の治療費を確認する際、以下のことに注意するようにして下さい。
- 自分が治療を受ける地域での治療費について確認すること
- 自分が希望する矯正装置、または、治療法における治療費を確認すること
- 極端に安い治療費を設定した歯科医院を選択しないこと
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