「歯列矯正をはじめると、歯が痛くなって、食事がとれなくなる」ということについては、すでに多くの方が御存知だと思います。
ただし、その痛みが発生するのは、歯列矯正をはじめた直後の、ほんの一時的な期間に過ぎません。
なぜなら、歯列矯正を開始した直後に発生する歯の痛みは、短期間で治まる痛みだからです。
しかし、いくら短い期間の痛みといっても、当の本人にとっては、「歯が痛くて、何も食べられない」、「この痛みは、いったいどれくらい続くのだろうか?」、「この痛みは、矯正治療が進むにつれて、さらに悪化するのではないだろうか?」、「いったい、何を食べたらいいのだろう?」などと、悩みはどんどん深刻化してしまいます。
そのため、ここでは、歯列矯正をはじめて最初の数日間に発生する痛みと、その時に食べることができるメニューについて説明しています。
これを読むことによって、矯正治療でもっとも過酷な数日を、あなたも乗り切ることができるはずです。
歯列矯正で、痛みが発生する理由
歯列矯正を開始してしばらくすると、食事が極端にとりにくくなります。なぜなら、この時の歯は、矯正装置のワイヤーによって骨に押しつけられている状態だからです。
そして、歯の周りには、激しい炎症が発生しているからです。そのため、この時期に歯を噛みしめると、強く痛みを感じてしまうのです。
歯が痛くて、食事ができない期間
矯正治療によって発生する歯の痛みは、歯列矯正が完了するまで継続するわけではありません。一般的には、3〜7日ほどかけて徐々におさまります。
なぜなら、「造骨細胞(ぞうこつさいぼう)」という骨の造り換えを行う細胞が、歯の周囲に多く現れはじめるからです。そのため、歯の周りにあった炎症も、徐々におさまってくるからです。
歯が痛くても、噛むことができる食事
- 【主食類】 おかゆ、雑炊、リゾット、食パン
- 【麺 類】 うどん、そば
- 【野菜類】 スムージー、野菜ジュース、
- 【スープ類】 ミネストローネ、ポタージュ
- 【おかず類】 煮物、シチュー、ハンバーグ、コロッケ、オムレツ、おでん、はるさめ、麻婆豆腐、茶碗蒸し
- 【肉 類】 煮魚、さしみ
- 【果物類】 バナナ、キウイ
- 【菓子類】 菓子パン、シュークリーム、プリン、アイス、ヨーグルト、ゼリー
- 【その他】 栄養補給ゼリー
矯正開始直後は、痛くて食べられないもの
- 【野菜類】 生野菜、長ネギ、葉野菜、漬け物
- 【肉 類】 唐揚げ、ステーキ、タコ、イカ、貝
- 【果物類】 リンゴ、柿
- 【菓子類】 せんべい、クッキー
歯の痛みを最小限にして食べる工夫
ゆっくり噛む
食事の際、ゆっくり噛むことで、痛みの強さを弱くすることができます。なぜなら、歯に加わる衝撃は、動かす下あごの速度に比例して強くなるからです。
そのため、下あごをゆっくりと動かすことで、歯に加わる衝撃を少なくすることができるのです。
小臼歯で噛む
小臼歯(しょうきゅうし)とは、犬歯の隣にある小さな奥歯のことです。食事の際、この小臼歯の部分をつかって噛むことで、痛みを弱くすることができます。
なぜなら、小臼歯の歯根は比較的太く、また、大きな力を加えにくい部分にあるからです。そのため、前歯や奥歯で噛むときと比べて、痛みを少なくすることができるのです。
痛み止めを服用する
歯の痛みに対して敏感な方の場合、食事の際、1週間だけ痛み止めを服用するというのはいかがでしょうか?
実際、ある成人女性で、まったく食事ができなかったため、この方法を試した方がいらっしゃいます。痛み止めを服用したのは4日ほどでしたが、「もっと早くから、痛み止めを服用したら良かった」と後に感想を述べています。
それから、痛みに対して敏感な方に対しては、この痛み止めを食事前に服用する方法を紹介しています。服用期間は2〜7日ほどと、個人差はありますが、みなさん快適に過ごすことができているようです。
まとめ
歯列矯正を開始すると、すぐに食事ができなくなります。なぜなら、歯が非常に敏感になり、チカラを入れて噛むことができなくなるからです。
しかし、その期間については、多少の個人差はあるものの、1週間ほどで必ず落ち着くはずです。そのため、歯列矯正をはじめて、最初の1週間さえ乗り切れば、その後はたいへん楽になるのです。
ここでは、すでに矯正治療を終えた方たちにインタビューして、歯列矯正を開始した直後でも食べることができる食事や、痛みの少ない食べ方の工夫について紹介しています。
これらを参考にして、歯列矯正でもっとも過酷な1週間を、できるだけラクに乗り切るようにしてください。