「ゴムかけ治療、いったい、いつまでする必要があるのだろう?」って、うんざりなっていませんか? わたしも経験しましたが、ゴムかけって本当につらいですよね。
ゴムかけ(または、顎間ゴム)とは、矯正治療中に、上あごの矯正装置から下あごの装置に向かって、小さな輪ゴムをかける治療のことです。
「このゴムかけ治療が、歯列矯正の中でもっとも過酷だった」と感じているのは、あなただけでないのです。なぜなら、痛い・めんどうくさい・恥ずかしい・鬱陶(うっとう)しいなど、嫌なことが満載しているからです。
しかし、このゴムかけをしっかり行わない限り、矯正治療は完了しません。治療期間が無駄に延びるだけでなく、調整時に払う治療費がどんどん重なるだけなのです。
ここでは、矯正治療におけるゴムかけの期間と、その期間中に注意すべき内容について説明しています。これを読むことによって、ゴムかけに対するモチベーションが高まってくれると非常に嬉しく思います。
ゴムかけは、歯列矯正における肝
ゴムかけは、歯列矯正における肝(きも)です。 なぜなら、矯正治療中にゴムかけがしっかりできたか否かによって、矯正治療の成否が大きく異なってくるからです。
しかし、下あごの位置を移動したり、上下の歯がしっかり噛み合う格好にチカラを与えるたりできる方法は、いま現在、ゴムかけ以外にはありません。
そのため、矯正治療を成功するためには、とにかくゴムかけを徹底することが不可欠なのです。
ゴムかけの治療期間
ゴムかけの治療期間は、歯列矯正にかかる期間の1/2~2/3です。つまり、1年~1年半ほどです。もちろん、歯を動かす距離や、あご骨の硬さなどによっても期間が異なります。
たとえば、歯を動かす距離が短かく、ゴムかけがしっかりと行えたなら、中には、「ゴムかけ治療が、たった4ヶ月程度で完了した」というとてもうらやましい方もいるのです。
ゴムかけ期間中の、歯の痛みは?
ゴムかけをはじめると、歯の痛みは必ず発生します。耐えられない激痛ではありませんが、噛むと強く痛みを感じることはたしかです。
しかも、その痛みは、ゴムかけ治療の期間中ずっと続くわけではありません。ブラケットやワイヤーをつけたときと同じように、数日すると必ず慣れるからです。
ただし、数日で痛みがおさまるのは、ゴムかけをしっかりと行っている場合のみです。なぜなら、ゴムかけを頻繁にサボると、慣れることができないからです。
ゴムかけ期間に関する要点
ゴムかけは、継続することが大切
ゴムかけは、とにかく継続することがとにかく大切です。なぜならば、ゴムかけをはじめても、歯が動き出すまでに数日の準備期間が必要だからです。
そのため、断続的にゴムかけ行っただけでは、歯はほとんど動かないのです。
ゴムかけする時間
ゴムかけを行う時間は、基本的に24時間です。そのため、昼間だけでなく、就寝中もしっかりとゴムかけを行う必要があります。
ただし、食事をするときは、ゴムは外してください。なぜなら、ゴムをしたままの状態では、食事が非常にしづらいからです。
たいへんですが、食事のあとは、歯磨きを行って、またすぐに、ゴムかけを再開するようにしてください。
ゴムを新しいモノに交換する頻度
説明書には、「ゴムの交換は、3~4日ごとで大丈夫」と記載してあります。しかし、ゴムは1日1回、もしくは毎食ごとに新しいものに交換することがオススメです。
なぜなら、ゴムかけを継続できた方のほとんどが、ゴムの交換を頻繁に行っているからです。ゴムかけのモチベーションを維持するためには、新しいゴムに交換して、スッキリした状態を維持する方が効果的なのです。
ゴムを二重にかけても、ゴムかけの期間は短縮できない
ゴムの強さを強くしても、ゴムかけの治療期間を短くすることはできません。なぜなら、歯は適切な大きさのチカラを与えたときだけ、スムーズに動くからです。
そのため、ゴムを二重にかけたり、極端に強いゴムを使用したりしても、ゴムかけの期間を短縮することはできないのです。この場合、歯にダメージを与えることになるので、百害あって一利なしの格好になってしまうので注意してください。
ゴムかけを、なめてはいけない!
かなりの割合の方が、ゴムかけをナメてはいます。なぜなら、病院で処方される風邪クスリと同程度に、ゴムかけを評価しているからです。
たとえば、風邪クスリの場合、服用をすこしサボったとしても、カゼはしばらくすると改善するでしょう。なぜならば、クスリの代わりに、「身体の免疫力」がしっかりと働くからです。
しかし、私たちの身体には、クスリの効果を補ってくれる機能は備わっていても、ゴムかけの代わりを果たす都合のいい機能は備わっていません。そのため、ゴムかけをしっかりと行わないかぎり、歯列矯正は完了しないのです。
治療費もかさむ
ゴムかけを怠ると、治療費もかさみます。なぜなら、矯正治療が停滞していたとしても、毎月の調整料は発生するからです。
たとえば、ゴムかけをしっかりと行っていない場合、「ゴムかけを、ちゃんとしてください ! 」と指導をうけるだけで、数千円の支払いが発生してしまうことになるのです。
まとめ
厄介なゴムかけの治療期間は、しっかりとゴムかけを行った場合でも、およそ1年〜1.5年です。これを聞いた時点で、すでに絶望感を覚えた方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、ゴムかけをしっかりと行わない場合、当然、ゴムかけ治療の期間は無駄に延びてしまうのです。なぜなら、ゴムかけ治療は矯正治療における肝、つまり、もっとも重要な過程だからです。
自分の矯正治療を無事に終えるため、治療期間をできるだけ短くするため、そして無駄な治療費を支払わないためにも、ゴムかけを頑張るようにしてください。応援しています !