あなたは、くじけそうになっていませんか?
歯列矯正でのゴムかけが、「つらい」「しんどい」「めんどくさい」と感じて、矯正治療を開始したことを後悔しはじめる方も、きっといると思います。
たしかに、このゴムかけは、矯正治療の中でも、もっともしんどい治療です。ただし、このゴムかけは、実際の治療においても最も重要なのです。「矯正治療の成功は、ゴムかけ次第」といっても、過言ではありません。
そのため、歯列矯正における最大の難関ではありますが、ゴムかけをなんとか乗り越えて欲しいのです。
ゴムかけのつらさを乗り越えるには、すでに矯正治療を終えた先輩たちの工夫を聞くことが一番です。なぜなら、彼らは、ゴムかけを乗り越えるための秘密を知っているからです。
そのため、ここでは、すでに矯正治療を終えた先輩たちから聞いた「ゴムかけのつらさを乗り切るためのヒント」を伝授したいと思います。
ゴムかけとは
「ゴムかけ」または「顎間(がっかん)ゴム」とは、上あごの矯正装置から下あごの装置に向かって、小さな輪ゴムをかける治療法のことです。
そして、その目的は、上あごと下あごの位置関係を整えたり、上下の歯をしっかり噛み合うようにしたりするためです。
そのため、永久歯の歯列矯正を行う際には、ほとんどのケースで、このゴムかけは必要になってくるのです。
矯正治療を終えた方たちの「ゴムかけ」に対する感想
歯列矯正が終了した方に話しをきくと、ゴムかけについて以下のような感想が多くありました。
- ブラケットよりしんどい
- 治療法として、おかしすぎる
- 口開けたとき、ゴムがビョーンと伸びるのを人に見せられますか?
- ゴムかけに代わる方法はないのですか?
矯正治療を受ける方たちにとって、ゴムかけは最大の難関になっているようです。なぜなら、慣れるまでの間、ゴムかけが難しく感じたり、強い痛みを感じたりするからです。
また、ある程度慣れたあとも、口が開けられない、しゃべりにくい、取り外しがめんどうなどといった問題がつきまとうからです。
ゴムかけに関する基本的な疑問
ゴムかけの痛みはどのくらい?
ゴムかけの痛みは、3〜4日で慣れることができます。ただし、ゴムかけを継続して行っている場合に限られます。
ゴムかけが不十分な場合は、ゴムかけの際の痛みが継続する恐れがあるので、十分に注意してください。
ゴムかけは、いつ行うの?
ゴムかけを行う時間は、基本的には24時間です。当然、昼間や就寝中にも、ゴムはつける必要があります。
もちろん、食事の時、歯磨きの時は、ゴムは外した状態でおこなうことができます。ただし、そのあとは、すぐにゴムかけを再開するようにしてください。
ゴムかけは、どのくらいの期間必要なの?
ゴムかけは、矯正装置が外れる時点まで、基本的に行う必要があります。そのため、ゴムかけが開始になってから、およそ1.5〜2年ほどが目安です。
矯正治療を終えた方にきいた「ゴムかけを乗り切るための工夫」
ゴムを小分けにする
ゴムを目に触れやすい場所に置いておいたり、小分けにして複数持ち歩いたりすることは非常に有効です。
たとえば、歯ブラシと一緒もしくは枕の上に、ゴムの袋を準備しておくことです。さらに、カバン・歯磨きセット・ペンケースの中など、複数に分けて持ち歩くことです。
このように、ゴムを目に付きやすくすることで、ゴムかけを意識づけしやすくなります。そのため、無理に頑張らなくでも、ゴムかけができるようになるのです。
ゴムを目立ちにくいようにする工夫
口を開けた際にビョーンと伸びるゴムが恥ずかしいという方は、マスクを使用したり、上下の歯が噛んだ状態で話しすること有効です。
なぜなら、そうすることで、ゴムが伸びる様子を目隠ししたり、ゴムが伸びる様子を目の前の人に見えないようにしたりすることができるからです。
仲間を見つける
ゴムかけでくじけないためには、周囲に仲間を見つけることもが非常に有効です。学校もしくは職場だけでなく、矯正治療を受けている芸能人・モデルなどでもかまいません。
そうすることで、その人を意識しながら、自分もゴムかけを頑張ることができるからです。もちろん、その仲間が近くにいる人なら、お互いにはげまし合いながら、ゴムかけを頑張ることができるのです。
ゴムかけ期間を短くする方法
自分の生活習慣と癖を見直す
普段の生活習慣が、ゴムかけの効果を邪魔しているケースがあります。そのため、普段の生活習慣や癖(くせ)に注意することで、ゴムかけの期間を短くすることができます。
たとえば、「頰杖(ほおずえ)」です。なぜなら、頰杖の格好だと、歯や矯正装置に余計なチカラが加わり、ゴムかけによる効果が発揮できないからです。
頰杖(ほおずえ)以外にも、「横向きで寝る習慣」「片方でばかり噛んで食事する習慣」「歯ぎしり」「くいしばり」が、悪影響となる場合も注意が必要です。このような癖や習慣がある方は、意識的に控えるだけでも、大きな効果が期待できます。
ミニインプラントを用いる
矯正用ミニインプラントを用いることで、ゴムかけ自体を完全に無くすことはできませんが、ゴムかけ期間を短くすることができます。
なぜなら、ゴムかけよりも、効率的に歯を動かすことができるからです。そのため、わたしのクリニックでも、積極的にミニインプラントを用いています。
まとめ
わたしもそうですが、たくさんの歯科医療関係者が、矯正治療を経験者しています。そのため、ゴムかけのつらさについても、あなたと同じように体験済みです。
しかし、残念ながら、今のところ、ゴムかけに代わる方法はありません。そのため、矯正治療を完了するためには、ゴムかけの煩(わずら)わしさをなんとか乗り切るしかないのです。
その時、すでに矯正治療を終えている方のアドバイスは、非常に参考になります。なぜなら、その方たちは乗り越えるための方法をすでにしているからです。
そして、あなたがゴムかけに苦しんでいるのであれば、先輩たちのアドバイスを参考にして、かならず歯列矯正を成功させてください。