近年、大人になって矯正相談を訪れる方が増加しています。そして、そのほとんどが、できるだけ目立ちにくい方法で治療したいと強く希望しているようです。
目立たず矯正する方法の1つとして、「ハーフリンガル矯正」が挙げられます。
このハーフリンガル矯正は、歯の裏側にブラケット(または、矯正器具)やワイヤーをつけて行う「リンガル矯正」または「舌側矯正」とどう異なるのでしょうか?
ここでは、社会人の方、中でも特に女性にオススメの「ハーフリンガル矯正」について説明します。
「ハーフリンガル矯正」とは
上アゴをリンガル矯正で、下アゴを通常の表からの矯正で行う治療法を、「ハーフリンガル矯正」または「ハイブリッド矯正」といいます。
リンガル矯正で治療する方が増加するに伴って、このような少し変則的な矯正方法で治療を行う方も増加傾向にあります。
このハーフリンガル矯正は、どのようなタイプの治療に効果的なのでしょうか?
また、このハー琉リンガル矯正を用いることで、どのようなメリットを得ることができるのでしょうか?
ハーフリンガル矯正のメリット
目立ちにくい
ハーフリンガル矯正の最大のメリットは、やはり「矯正器具が目立たない」ということです。
歯の表に付けた矯正器具は、会話の際、もしくは大きく口を開けて笑った際に目立ちやすいという欠点があります。
特に、友達や恋人といっしょに食事したいと思っても、表の装置に食べ物がはさまるのが嫌で食事を控える方も多いと思います。
しかし、上アゴの矯正器具を裏側につけることで、このような悩みを解決することができるのです。
そして、人前で思いっきり笑ったり、矯正装置を気にせず友達や気になる人といっしょに、食事に行ったりすることができるのです。
治療費の節約
リンガル矯正の治療費は、歯の表に器具をつけて行う矯正の治療費の1.5〜2倍と非常に高価です。
その1つの原因として、最近のリンガル矯正に用いるブラケットやワイヤーなどが、すべてオーダーメイドになっていることが挙げられます。
そのため、矯正器具自体の材料費が、表に付ける矯正器具と比較して非常に高価になっているのです。
ハーフリンガル矯正を選択することで、この治療費をすこし度抑えることができます。つまり、見た目に大きく関係する上アゴだけをリンガル矯正で行い、下アゴは通常の表からの装置にするのです。
たとえばリンガル矯正の費用が、表に装置をつける治療の2倍という費用設定の歯科医院で治療を受けたとします。
そこでは、リンガル矯正の4分の3(または、75パーセント)の治療費で、ハーフリンガル矯正を受けることができるのです。
舌のトラブル
下アゴの治療をリンガル矯正で行った場合、最も問題になるのが「舌のトラブル」です。
舌は日常生活で、しゃべったり、ものを食べたりする際に活発に動く部分です。そのため、歯の内側に矯正装置がつくと、強い違和感を感じたり、口内炎が頻繁に発生したりしやすいのです。
とくに、就寝時に歯ぎしりや食いしばりを行う患者さんでは、舌に口内炎ができるというトラブルが絶えません。なぜなら、歯を食いしばる際、奥歯の内側に舌を強く押しつけるからです。
ハーフリンガル矯正を選択すると、口の中の違和感も和らぎ、舌を頻繁に傷つけるというトラブルを回避することができます。
そのため、上下の歯の裏側に矯正器具を付けるよりも、快適に日常生活を送ることができるのです。
まとめ
ハーフリンガル矯正は、目立たず矯正治療を行うには有効な方法です。治療中のトラブルが少なく、治療費も抑えることができるためオススメの治療法です。
しかし、歯の内側に矯正器具をつけておこなう治療は、治療方法だけでなく診断方法も特殊です。そのため、リンガル矯正において実績のある歯科医院を選択することが非常に重要なのです。
そのため、ハーフリンガル矯正を希望される方は、リンガル矯正の治療実績のある歯科医院を見つけたうえで、矯正相談に行くようにしてください。