「歯間乳頭(しかんにゅうとう)」は、歯と歯の間を満たしている歯ぐきのことを意味しています。歯並びや噛み合わせが整っているだけでなく、この歯間乳頭の状態が良いと非常に健康的で明るい印象を与えてくれます。
一方で、いくら歯並びや噛み合わせがキレイでも、歯間乳頭の状態が悪いと、健康で明るいイメージを損ねてしまうからです。
矯正治療を行ううえでも、この歯間乳頭については十分に考慮する必要があります。なぜなら、矯正治療によって、歯間乳頭の状態も変化するからです。
ここでは、矯正治療中に発生する歯間乳頭の問題、中でも「ブラックトライアングル」について説明します。
ブラックトライアングルとは
歯間乳頭がなくなると、歯と歯の間に大きなすき間が発生します。
この歯と歯の間にできる三角形のすき間は、周囲の人には真っ黒なかたまりに見えるため、「ブラックトライアングル」と呼ばれます。
このブラックトライアングルの問題は、単にすき間に食べ物が詰まりやすいというだけにはとどまりません。見た目にも大きな障害となってしまうので、特に若い女性にとっては受け入れがたい問題です。
ブラックトライアングルが発生する原因
矯正治療中にブラックトライアングルが発生する最大の要因として、「歯の形態」が挙げられます。前歯の形態は、「四角形」「樽(たる)形」「三角形」の3つのタイプに分類することができます。
中でも、ブラックトライアングルが最も起こりやすいのは、三角形のタイプの時です。なぜなら、他のタイプと比べて、歯間に大きなスペースができるため、歯間乳頭が維持できなくなるからです。
ブラックトライアングルの治療
私のクリニックでは、矯正治療中に発生したブラックトライアングルについては、矯正治療中に改善するようにしています。その際に行う治療が、「歯の形態を修正すること」と「歯をよせること」です。
最初に、前歯の形態を、三角形から四角形タイプに修正します。具体的には、三角形の角の部分を削って、前歯の側面が垂直になうように形態修正するのです。
前歯の側面を形態修正することで、隣の歯との接触位置を、歯ぐきに近いとこまで近づけることができます。そうすることで、ブラックトライアングルの高さを効果的に低くすることがでるのです。
次に行うのが、歯をよせることです。前歯の側面を形態修正することで、歯と歯の間にはすき間ができているはずです。そのすき間を閉じて、お互いの歯が近づくようにするのです。
このようにすることによって、お互いの歯の根も近づくことになり、ブラックトライアングルの幅を効果的に狭めることがでるのです。
まとめ
キレイな口元の印象をつくるためには、歯並びや噛み合わせだけでなく、歯ぐきの見え方についても考慮する必要があります。なぜなら、歯ぐきの見え方もあなたの印象に大きく関係しているからです。
よって、矯正治療を考えている方は、審美に考慮した矯正治療を行っている歯科医院を選択することが重要です。
そして、そのような安心して治療を受けられる歯科医院を見つけたうえで、矯正相談に行くようにしてください。