アゴの関節からカクカク音がなったり、アゴに引っかかりがあってスムーズに動かなかったりすることはありませんか?
偏頭痛やこめかみが痛くなったり、アゴのエラのところが痛くなったりすることはありませんか?
これらはすべて顎関節症の症状の一部です。 中でも10代と20代の女性では、程度の違いはあるものの、顎関節に何らかの症状は持っている方は非常に多いです。
しかし、「歯医者にいっても、根本的な治療をしてくれない」、「早い解決を望んでも、すぐに解決してくれない」と不満を感じている方もいるのではないでしょうか?
しかし、顎関節症は、慎重にゆっくり対応したほうがよい問題です。あせって解決を急ぎすぎると、ドツボにはまってしまってしまう恐れがあるからです。
実際、早期の解決を求めてすぎた結果、更に問題を悪化している患者さんも少なくありません。
そのように問題を深刻化しないためにも、顎関節症の特徴と対応方法について十分に知ってもらい、あなたには慎重に対応してもらいたいのです。
顎関節症の特徴
顎関節症(がくかんせつしょう)は、細菌の感染によって痛み起こる虫歯や歯周病とはまったく別物です。歯の痛みと異なり、「痛みの原因を取り除けば、スカッと治る」という治療方法は当てはまらないのです。
では、顎関節症には、どのような対応が望まれるのでしょうか? それは、整形外科で行われるような対応です。なぜなら、顎関節症の問題は、膝や腰などを扱う整形外科領域の問題と類似するからです。
整形外科での対応
膝や股関節に問題があるとき、いきなり手術したり人工関節を入れたりはしないはずです。
まずは安静にすること、湿布を貼ったりリハビリしたりすることから始めます。症状がさらに強い場合にはクスリを服用したり、コルセットや杖を使ったりするはずです。
このように、関節や筋肉に痛みや運動障害があった場合、整形外科では主に「対処療法(たいしょりょうほう)」から開始するのです。
顎関節症での対応
顎関節症の対応でも、まずは安静することから始めます。
とくに顎関節症の場合、症状の強さに波があること、放置しておいても重篤な状態になる心配がないことから、安静にしてもらいながら経過観察のみ行うことが少なくありません。
症状の強さに応じて、マウスピースを使用してもらったり、クスリを服用してもらったりします。
整形外科領域でいきなり、手術したり人工関節に置き換えたりしないのと同じように、歯をいきなり削ったり、矯正治療を始めたり、奥歯を差し歯に変えたりするのは「過剰な治療」と言うことができるでしょう。
まとめ
顎関節症の問題は、膝や股関節といった整形外科領域の問題と酷似(こくじ)します。
そのため、整形外科と同じように保存的な対応つまり後戻りできる治療から始めて、症状に合わせて対応を考えていく「対処療法」が望ましいです。
いきなり、奥歯を差し歯に変えたり、矯正治療を開始したりすることはオススメできません。
顎関節症については、その分野での経験豊かな歯科医院を選ぶ必要がありますが、それ以上に患者さん自身が焦らないことがより重要なのです。