矯正治療中には、顎関節(がくかんせつ)の痛みだけでなく、噛む時に働く筋肉に痛みが起こる場合があります。 頭部の筋肉痛では、目の前の物を真っ直ぐに見ることができないほど、強い痛みを感じることがあるのです。
このような、矯正治療中に起こる強い筋肉痛の対処には、「クール・アンド・ストレッチ法」が有効であることを以前お伝えしました。
しかし、この矯正治療中に起こる筋肉痛は、その後も繰り返す可能性が高いのです。そのため、筋肉痛の発生を予防することが重要になってきます。
ここでは、そのような矯正治療中に起こる筋肉痛を、効果的に予防することができる「温罨法(おんあんぽう)」について説明します。
矯正治療中に起こる筋肉痛
矯正治療中、特に若い女性では、筋肉痛に悩まされることがあります。矯正治療によって噛み合わせが変化することで、今までとは異なる筋肉の部分を使って噛んだり、動かしたりすることを強いられるからです。
激しく動いた際に筋肉のケイレンを起こしたり、次の日に足や背中が痛かったりするのと、まったく同じことが噛む時に働く筋肉にも起こっているのです。
筋肉痛の発生した際の対処法
矯正治療中に起こる強い筋肉痛には、「クール・アンド・ストレッチ法」が効果的です。これは、筋肉痛が強くある場合に行う痛みを軽くする方法です。
筋肉痛の震源地となっている部分(または、トリガーポイント)を、指で押さえる簡単なマッサージ方法です。このようにして、こわばった筋肉を伸ばしたりほぐしたりすることで、筋肉痛を和らげることができるのです。
筋肉痛の再発に有効な温罨法
矯正治療中の筋肉痛が軽減したあとは、筋肉痛の再発予防を行います。なぜなら、矯正治療中の噛み合わせは不安定なため、筋肉痛は繰り返しやすいからです。
筋肉痛の再発予防に有効なのが、「温罨法(おんあんぽう)」です。これは、筋肉を温めることにより血行を良くし、筋肉の緊張を和らげたり、新陳代謝を高めたりする効果があります。
私のクリニックでは、この温罨法をお風呂に入った際に行うようにお願いしています。具体的には、シャワーを長めにあてたり、湯船につかった際にタオルを使って温めたりするのです。
このように、お風呂で頭部の筋肉を温める方法は、非常にオススメです、なぜなら、お風呂で使用するお湯は適温で、低温やけどなどのトラブルをおこす心配がないからです。
また、継続することが比較的簡単なため、矯正治療中の筋肉痛の再発を長期的に予防することができるからです。
まとめ
矯正治療中の筋肉痛には、クール・アンド・ストレッチ法が有効です。また、その後の筋肉痛の再発予防には、温罨法を定期的に行うことがオススメです。
この方法も、家庭で気軽に行えるだけでなく、矯正治療中の筋肉痛の発生を効果的に押さえる方法だからです。
そのため、矯正治療中の筋肉痛を経験したことがある方は、この筋肉を温めるという方法を、意識的に行うようにしてください。