矯正治療を受ける前には、補償内容についてしっかりと確認することが大切です。たとえば、矯正治療後の後戻りがあった際の、修正治療や再治療についての補償です。
なぜなら、矯正治療後の後戻りは稀なことではなく、ある程度想定しておくべきことだからです。また、後戻りが発生した際の対応が、歯科医院によってさまざまであることがもう1つの理由です。
後戻りがあった際に、補償内容もしくは治療費についてトラブルがないように、事前にしっかりと確認しておくことがオススメなのです。
ここでは、矯正治療を開始する前に、必ず確認しておくべき項目の1つである再治療とその治療費について説明しています。
再治療についての確認が必要な理由
矯正治療終了後には、後戻りを予防する保定装置(または、リテーナー)をしっかりと使用することが大切です。使用が不十分だと、「崩(くず)れる」または「ズレる」などの後戻り問題が発生することがあるからです。
また、十分に保定装置を使用していたとしても、矯正治療の後戻りがゼロになることはありません。そのため、再治療などについての補償内容および費用については、治療開始前に確認しておくことが重要です。
なぜなら、歯科医院によって補償内容が大きく異なるからです。そのため、後戻りが起こった際に、特に治療費についてのトラブルが発生する心配があるからです。
再治療の費用について
後戻りが起こった場合、矯正治療後に若干の修正治療や、本格的な再治療を行います。再治療の費用についての規定は、以下のように歯科医院によってまちまちです。
①調整料のみ
②材料費 + 調整料
③新たに治療費が発生する
私のクリニックでは、保定期間中に起こった後戻りについては、調整料のみで行うようにしています。なぜなら、そのことによって、多くの患者さんが安心して矯正治療を開始することができると考えるからです。
補償外について
ただし、私のクリニックでも例外はあります。たとえば、治療後の後戻りを予防する装置を使用しなかったり、定期的な検診を怠(おこた)ったりしている患者さんの場合です。
このように治療後の後戻りの原因として、患者さん本人の責任が大きいと判断される場合には、再治療の際の治療費を別途請求するようにしています。
実際に再治療を行った事例
以前、私のクリニックで出っ歯の矯正治療を受けた女子高生が、久しぶりに定期検診にきました。保定装置をあまり使用していなかったため、出っ歯が再発している傾向が見られました。
そこで、彼女の母親とも相談した結果、ブラケット(または、矯正器具)をもう1度付け直して、本格的に再治療をことにしました。その際の治療費については、材料費を追加で負担してもらうことをお願いしています。
そして、再治療を13ヶ月間行った結果、再びキレイな噛み合わせに戻すことができました。その後、彼女はしっかりと保定装置を使用しているため、今度は後戻りすることなくキレイな歯並びを維持できています。
まとめ
矯正治療を受ける際には、必ず後戻りのリスクと補償内容については、主治医によく確認したうえで開始するようにしてください。
なぜなら、矯正治療には少なからず後戻りのリスクがつきまとうからです。また、そのように後戻りが起こった際の補償内容が、歯間医院によって大きく異なるからです。
そのため、矯正治療を考えている方は、補償内容がしっかりと規定されている歯科医院を、選択することが大切です。そして、しっかりと補償内容を確認したうえで、矯正治療を開始するようにしてください。