世の中には、「自分が、ごぼ口であること」「自分の口元が、キレイでないこと」に悩んでいる人が多くいます。
しかし、残念なことに、そのほとんどが「口ゴボの横顔は、歯列矯正で改善できる」という事実を知りません。
そのため、悩みを抱えたまま引きこもってしまったり、美容整形に助けを求めてしまったりするケースも少なくありません。
歯列矯正は、単に、歯並びや噛み合わせの問題だけを治す手段ではありません。口元の印象を良くすることを目的として行うこともあるのです。
ここでは、口ゴボの歯列矯正による改善方法について説明します。これを読むことで、あなたのコッンプレックスを解消する手段がきっと見つかるはずです。
口ゴボとは
顔を横から見たときに、口元がつよく突出した状態になっている人のことを、「口ゴボ」または「ごぼ口」といいます。
専門的には、「上下顎前突症 (じょうげがくぜんとつしょう) 」または「両顎前突症(りょうがくぜんとつしょう)」と呼ばれる状態のことです。
ただし、実際には、顎骨が前方に飛び出ているというわけではありません。それよりも、むしろ前歯が極端に前傾しているというケースの方を多く見かけるのです。
口ゴボの改善方法
口ゴボの横顔は、美しいと感じないのでしょうか? どうして、違和感のある口元に見えてしまうのでしょうか?
それは、口ゴボだと、キレイなE-ラインがつくれていないからです。E-ラインとは、「鼻のあたま」と「下顎の先端」を結ぶ線のことです。
顔を真横からみたとき、この線上に口唇が位置すると、もっともキレイな口元の状態になります。
そのため、口ゴボ治療では、口唇の位置をE-ラインまで下げることが最大の目標になります。
つまり、倒れた前歯の角度を修正したり、前歯を引っ込めたりすることができれば、口ゴボの横顔を一気に改善することができるのです。
前歯を歯列矯正で効果的に下げるには
抜歯が必要
口ゴボの横顔を改善するためには、歯の抜歯が必要です。
なぜなら、前傾した前歯の角度を修正したり、前歯を大きく引っ込めたりするためには、大きなスペースが必要だからです。
口ゴボ治療で抜く歯は、小臼歯(しょうきゅうし)です。小臼歯の中でも、犬歯の隣にある第一小臼歯を選択します。
では、なぜ、口ゴボ治療では、第一小臼歯を抜歯する歯として選択するのでしょうか?
それは、非常に簡単です。なぜなら、第一小臼歯が、前歯にもっとも近い位置にある歯だからです。前歯の角度を大きく改善したり、前歯の位置を大きく後ろに下げたりするためには、前歯に近い場所にスペースをつくることが最も有効なのです。
奥歯の前方移動防止
口ゴボ治療において、もう一つ重要なことがあります。それは、前歯を動かす際に、奥歯を前方移動させないことです。
なぜなら、奥歯が前方に移動してしまうと、前歯の角度を修正したり、前歯を後に移動したりするためのスペースを失ってしてしまうからです。
たとえば、奥歯から前歯にゴム掛けして、前歯を後方に引っ張る場合です。この方法だと、前歯を引っ込むときに奥歯がどうしても前方に移動してしまいます。
そのため、前歯を下引っ込めようとする際には、奥歯の前方移動を予防する手段を準備する必要があるのです。
ミニインプラントを利用する
口ゴボ治療において奥歯の前方移動を予防するためには、ミニインプラント(または、インプラントアンカー)が有効です。
なぜなら、ミニインプラントから、前歯を引っ張ることができるからです。そのため、奥歯にゴムかけを行ったり、奥歯を前方移動させたりすることがないのです。
ミニインプラントとは、歯列矯正の際に用いる小さなネジのことです。その小さなネジを、奥歯付近の歯ぐきにネジ入れて使用します。
歯ぐきにネジ入れるといっても、心配する必要はありません。なぜなら、ミニインプラントは、直径1.6~1.8mm、長さ6~10mm程度と非常に小さいからです。
そのため、ミニインプラントを付ける場合でも、痛みや出血がない状態で付けることができます。
実際に、抜歯する矯正で口ゴボを治療した事例
以前、私が運営するクリニックに、口ゴボの治療を希望する女性が矯正相談にきました。
彼女は自分が口ゴボであることに劣等感を感じていました。そのため、その頃の彼女は暗く元気がない印象でした。
そこで私はミニインプラントと抜歯を行う矯正治療で口ゴボを治療することを提案することにしました。なぜなら、この方法が、口元を引っ込めることができる治療だからです。
この治療方法について説明すると、彼女はすぐに納得し矯正治療を開始することを決心しました。それだけ彼女の、口ゴボを治したいという希望が強かったのでしょう。
実際の矯正治療では、上下の小臼歯をそれぞれ抜歯して、矯正装置と使って前歯を後方に移動しています。
この時ミニインプラントを用いたため、奥歯を前方に移動することなく十分に口元を引っ込めることができたのです。
キレイになった口元に彼女は満足しています。そして、治療後の彼女は、以前よりもすっかり明るくなりました。
まとめ
口ゴボの横顔は、歯列矯正で改善することができます。そのため、美容整形や美容形成を考える前に、矯正歯科で治療相談を受けることがオススメです。
ただし、その際は、口ゴボ治療において実績のある歯科医院を選択することが大切です。実績のある歯科医院であることを確認したうえで、矯正相談に行くようにしてください。