子供のガタガタ前歯の治療には、「床矯正装置」がおすすめ

お子さんが小学校にあがる頃になると、乳歯が抜けて永久歯の前歯が生え始めます。

お子さんの乳歯の交換をみて、前歯の歯並びや噛み合わせが急に心配になる親御さんは多いのではないでしょうか？

お子さんの歯ならびや噛み合わせの問題は、この時期から現れ始めます。そのため、お子さんの乳歯が交換する様子を観察しておくことが大切です。

もしも、歯がデコボコに生えたり、永久歯が生えるためのスペースが不足していたりするなら、早期に対応することが重要です。お子さんのアゴを広げることによって、歯をキレイに並べるための余地をつくることができるのです。

床矯正は、子どもの矯正治療で使用する装置のことです。特に、お子さんに「前歯のデコボコ」や、「噛み合わせが深い」といった問題がある場合に有効です。

取り外しが自分自身でできる装置なので、食事の際は取り外した状態で食べることができます。そのため、お子さんにとって負担が少ない装置と言えるでしょう。

さらに、取り扱いも簡単です。１週間に1度ネジを回すだけで、アゴを広げることができるのです。もちろん、ネジを回す時だけではなく、装置を清掃する際にも口の外で行うことができるので非常に簡単です。

床矯正が最も効果的なのは、歯のデコボコの改善です。アゴを広げることにより、歯がキレイに整列するためのスペースをつくることができるのです。

そのほかにも、床矯正を使って、噛み合わせの問題を改善することができます。たとえば、「噛み合わせが深いタイプ」のお子さんの治療です。

最近では、上下の歯を噛み合わせた状態で、下の前歯が隠れてしまうほど深い噛み合わせのお子さんがいます。この場合、下アゴの大きさを積極的に広げることによって、浅い噛み合わせに改善することができるのです。

アゴを積極的に広げることで、「口の中が広くなる」という効果が得られます。このことは、舌にとって好都合です。なぜなら、舌がリラックスするためには、十分なスペースが口の中に必要だからです。

口の中が狭いと、舌は喉（のど）の方へ追いやられてしまいます。そのような状態でいると、舌は常に緊張した状態になり、下あごの成長に悪影響を及ぼすことが分かっています。

そのため、床矯正を用いて口の中の空間を広くすることは、お子さんの舌の機能や下アゴの成長にとっても非常に有効なのです。

「噛むチカラを、アゴ骨に伝える」ことも、床矯正を用いてアゴを広げる目的の1つです。最近のお子さんでは、噛むチカラが骨に十分に伝わっていないために、骨の強度が不足していて弱いことが分かっています。

そのため、乳歯だけではなく、まだ乳歯の下にある永久歯が骨の中で傾斜しているのです。

よって、できるだけ早い時期に、床矯正を用いて乳歯の角度を修正し、噛むチカラがアゴ骨に対して垂直方向に伝わるように修正することが重要なのです。

このようにすれば、アゴ骨には適度なチカラが加えられるようになり、お子さんのアゴ骨はしっかりとした状態になるからです。

以前、私が運営するクリニックに、母親に連れられた男の子が矯正相談にきました。生え代りが始まった前歯の部分に、永久歯が生えるスペースが不足していることを心配して、母親が連れてきたのです。

母親は「すぐに矯正治療を開始すること」を希望していましたが、男の子は「矯正器具をつけることを非常に心配している」ことが解りました。

そのため、私は床矯正による治療を男の子に提案することにしたのですなぜなら、床矯正で用いる装置は違和感が少なく、しかも目立ちにくい装置だからです。

床矯正について説明すると、男の子は矯正治療を開始することをすぐに決心しました。きっと、床矯正なら自分もやれると思ったに違いありません。

その後、約2年間かけて床矯正を行うことで、男の子のアゴを十分に広げることができました。そのため、最終的に男の子の前歯の歯並びはキレイになったのです。

負担をかけることなく治療が完了したことで、男の子と母親は満足しています。

乳歯が生え代わる際、お子さんのアゴを広げることによって、キレイな歯並びをつくることができます。お子さんのアゴを効果的に広げるためには、床矯正がオススメです。

床矯正で用いるのは、痛みが起こりにくく、お子さん自身で取り外すことができる装置です。そのため、お子さんにとっても、非常に負担がすくない治療方法であると言えます。

お子さんの歯並びが気になっている方は、子どもの矯正治療について実績のある歯科医院を選択することが重要です。

そして、そのような信頼できる歯科医院を見つけたうえで、矯正相談に行くことをオススメします。