複数の医院で矯正相談を受けたり、診断を聞いたりすることは悪いことではありません。患者さんが安心して矯正治療を受けることができるなら、複数の歯科医院で話を聞くべきです。
ただし、複数の歯科医院で話を聞いた場合、患者さんは不安を感じたり、混乱しまったりする可能性があります。なぜなら、それぞれの医院で聞く内容や治療方針が、全く異なっている可能性があるからです。
例えば、A歯科医院で「あなたの矯正治療は、歯を抜いて行う必要がある」と提案されるのに対して、B歯科医院では「歯を抜かない矯正治療」が提案される場合です。
その場合、患者さんは混乱し、どちらかの歯科医院が「誤診」したと思い込んでしまいます。しかし、不安を感じたり、不信感を感じたりする必要はまったくないのです。
ここでは、複数の医院に矯正相談に行った時、それぞれの医院で治療方針が異なる理由について説明します。
歯科医院で治療方針がことなる理由
矯正医の判断による違い
矯正治療の治療計画は、どの矯正医もレントゲンや模型などの資料を見て診断します。しかし、その資料を見たときの解釈が異なることがあります。
例えば、口元の様子です。A医師は「口元を少し下げた方がキレイ」と判断して、B医師は「現状の口元でも十分にキレイ」と判断した場合です。
この場合、A医師は「積極的に口元を下げる治療法」を提案しますし、B医師は「口元を現状のまま仕上げる治療法」を提案することが多くなります。
矯正医の武器が違うから
それぞれの矯正医が得意とする矯正方法や治療方針は、矯正医ごとに異なります。そのため、同じ患者さんでも、主治医が異なれば治療計画が異なる可能性があるのです。
例えば、A医師が「抜歯を行う矯正」を得意としており、B医師が「できるだけ抜歯しない矯正」を優先的に考えている場合です。
この場合、A医師は「抜歯して行う矯正」を提案して、B医師は「抜歯しない矯正」を提案する可能性が高くなります。
患者さんの悩みが特定できていないから
治療方針を決定するためには、患者さんの悩みや治療に対する希望を優先的に考えます。
しかし、患者さんの悩みや希望は、担当医にしっかりと伝わっていない場合が多いのです。
例えば、受け口がある患者さんの矯正です。「受け口を治したい」だけ主治医に伝えた場合、A医師は「しゃくれ顔を積極的に改善する矯正の方法」を選択し、B医師は「噛み合わせだけを改善する方法」を選択するケースが考えられるからです。
矯正相談が重要
矯正相談の際には、必ず全ての悩みについて、優先順位をたてて伝える必要があります。
なぜならば、全ての悩みを把握しないと、治療計画を立てることができないからです。
また、治療方法についての要望や、目指すゴールの設定についても十分に納得して治療を受ける必要があります。
まとめ
複数の歯科医院で矯正相談を受けたり診断を聞いたりすることは、決して悪いことではありません。ただし、話の内容が一致しないため、患者さんがむしろ混乱してしまうケースも少なくないのです。
そのため、複数の歯科医院を渡り歩くよりも、最初から信用できる歯科医院を選択することがオススメです。
矯正相談を受ける際には、実績のある歯科医院を選ぶようにしてください。