あご骨の形態や位置に大きな異常がある場合、「外科矯正治療」が必要になります。外科矯正治療は、通常の矯正治療だけではなく、全身麻酔による外科手術を同時に行う矯正治療の方法です。
この外科矯正治療では、外科手術だけでなく、矯正治療も健康保険を使って治療を受けることができます。
ただし、全ての歯科医院で外科矯正治療が受けられるわけではありません。外科矯正治療を受けることができるのは、「認定を受けた医療機関」に限られているからです。
ここでは、外科矯正治療を受けることができる医療機関について説明していきます。
「外科矯正治療」が受けられる医療機関
外科矯正治療は、健康保険による診察が可能です。ただし、これらが受けられるのは「指定自立支援医療機関」と、「顎口腔機能診断施設」の2つの認定を受けている医療機関に限られます。
この2つの認定を受けている医療機関は、大学病院などの大きな施設だけではありません。一般的な開業医の中にも、これらの認定を受けている医療機関は多く存在しているのです。
指定自立支援医療機関とは
特定の障害をもつ患者さんのために、「自立支援医療」という制度があります。これは、長期的に治療が必要になる患者さんの、「医療費負担を軽減する目的」で設けた制度です。
なぜなら、身体的な障害の中には「長期的な通院が必要になるもの」があり、その場合患者さんの経済的な負担も大きくなってしまうからです。
ただし、自立支援医療が適用されるのは、特定の障害に限られます。例えば歯科では、外科矯正治療の必要となる患者さんや、特定の全身疾患をもった患者さんの矯正治療に自立支援医療が適用されます。
また、患者さんは自立支援医療を、すべての医療機関で受けることができるわけではありません。自立支援医療をうけることができるのは、指定自立支援医療機関だけなのです。
顎口腔機能診断施設とは
顎口腔機能診断施設とは、外科矯正治療を行うことを認められた医療機関のことです。
そのため、顎口腔機能診断施設の認定を得るためには、「外科矯正治療を行うために必要な器材がそろっていること」だけではなく、「5年以上の実績がある歯科医師と、専任の歯科衛生士がいること」が条件になっています。
このように、顎口腔機能診断施設の認定を受けるためには、医療機関は厳しい審査をクリアする必要があります。
ただし、顎口腔機能診断施設の審査が厳しいおかげで、患者さんは安心して外科矯正治療を受けられるようになるのです。
指定自立支援医療機関・顎口腔機能診断施設はどこにある?
指定自立支援医療機関および顎口腔機能診断施設の認定をうけている医療機関は、大学病院などの大病院だけではありません。
一般的な開業医の中にも、これらの認定を受けている医療機関はたくさんあるのです。そのため、外科矯正治療が必要な方はどなたでも受けることが可能ということができるでしょう。
指定自立支援医療機関・顎口腔機能診断施設の見つけるためには・・・
実際に、指定自立支援医療機関および顎口腔機能診断施設の認定をうけている医療機関を見つけるためには、いくつかの方法があります。
最初に挙げられるのは、「そちらの歯科医院は、指定自立支援医療機関と顎口腔機能診断施設の認定をうけていますか?」と、歯科医院に直接たずねることです。
もう1つは、「指定自立支援医療機関と、顎口腔機能診断施設の認定をうけている医療機関を教えてください」と、地方厚生支局に問い合わせをすることです。
まとめ
「外科矯正治療」が受けられる医療機関は、「指定自立支援医療機関」と「顎口腔機能診断施設」の2つの認定をうけている医療機関に限られます。ただし、これらの認定を受けた医療機関は、一般的な歯科医院の中にも多く存在します。
そのため「外科矯正治療」が必要と思われる方は、「外科矯正治療」を行うことが可能な医療機関を見定めてから矯正相談に行くようにしてください。