お子さんの前歯が、徐々に出てきているようなら、原因となっている「癖(くせ)」がないか確認が必要です。
お子さんの普段の仕草の中に、出っ歯(または、上顎前突症)をつくってしまう原因となるような癖があるのです。放置すると、出っ歯がますます悪化することが心配されるので注意が必要です。
このような癖がある場合、早めに対応してあげることが大切です。
ここでは、出っ歯をつくってしまう原因となる「お子さんの癖」について説明します。
出っ歯をつくる癖
指吸い
出っ歯の原因となる癖として、もっとも多いのが「指吸い」です。
中には、指にタコができるほど、強烈に指を吸っている子どももいるようです。指吸いがあると、主に2つの要因で、出っ歯なることが分かっています。
1つ目の要因は、上アゴの前歯が前倒れすることです。指吸いを行っている際には、上アゴの天井部分(または、口蓋)に指を吸い上げるため、前歯が前方に倒れやすいのです。
2つ目の要因として挙げられるのが、頬をすぼめることです。指吸いの時には、頬を強くすぼめるため、上アゴを狭くしてしまうからです。
きれいな楕円形(だえんけい)であるはずの上アゴが、V字型の上アゴになることで、上アゴの前歯が押し出される格好になるのです。
この指吸いの癖は、4~5歳くらいまでにはやめることが望ましいとされています。6歳以降もつづく場合、装置を使って癖を止めさせるなどの専門的な対応が必要となります。
口唇噛み
出っ歯の原因となる癖として、次に挙げられるのが「口唇噛み」です。
口唇噛みでは、下唇を上下の前歯ではさんだ状態で吸い上げようとするため、指吸いのときと同じように、上の前歯が大きく前傾してしまうのです。
口唇噛みが長期化すると、下唇の周りに黒いアザができてしまうケースがあるので注意が必要です。
この口唇噛みの癖も、指吸いと同様に、4~5歳くらいまでにはやめることが望ましいとされています。それ以降もつづく場合、口唇かみを止めさせる装置を用いることがあります。
舌の突出
出っ歯の原因となる癖として、3つ目に挙げられるのが「舌の突出」です。
食べ物や唾液(だえき)を飲み込む際の、舌の動きに異常があると、出っ歯を誘発しやすいのです。
わたしたちは、食べ物や唾液(だえき)を飲み込む際、奥歯をしっかりと噛んで、舌を上アゴの天井部分に舌を強く押しつけて飲み込みます。しかし、最近では、ものを飲み込む際に、舌を正常に動せないお子さんが非常におおいのです。
舌の異常な動きとして最も多く見かけるのが、「舌を前方に突き出しながら飲み込む」様子です。そして、舌を前方に突き出すことで、前歯を前方に大きく倒していることが非常に多いのです。
なぜなら、舌が前歯に加えるチカラは非常に強く、しかも頻繁だからです。通常、わたし達は1日400~600回も無意識のうちに唾液を飲み込んでいるからなのです。
この舌を突出する癖については、自然に治ることは基本的にありません。そのため、装置を積極的に用いたり、長期間にわって専門的なトレーニングを受けたりすることが必要です。
まとめ
お子さんの何気ない仕草にも、出っ歯をつくってしまう癖があります。放置すると、本格的な出っ歯に移行することも多いので注意が必要です。
よって、お子さんに歯並びを悪くする癖を見つけた際は、まず、子どもの歯並び育成について実績のある歯科医院を見つけること大切です。
そして、そのようなお子さんの様々な癖に対して、適切に対応することができる歯科医院を選択したうえで、早めに相談に行くようにしてください。