矯正装置を付けると、虫歯のリスクがあがります。これは、残念ながら事実です。沢山の装置が口の中につくので、清掃しにくくなったことも原因です。さらに矯正治療中は、別の要因が重なってさらに虫歯の危険度が高まっているのです。口の中を健康に保つためには、今まで以上に注意が必要になります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここでは、あなたが歯列矯正中に行うべき、虫歯予防のポイントについて紹介しています。矯正治療中に虫歯を作らないように、必ず役立ててください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
定期的な歯科医院での清掃は、必ず必要です。それは、どんなに気をつけても、矯正治療の入っている状態では、完全に歯磨きすることは不可能だからです。そのため古く残った歯垢を壊し、悪玉菌が定着しない環境を定期的に作って上げる必要があります。その時にさらに虫歯予防のクスリも定期的に塗ってあげることで、虫歯予防の精度をあげることができます。
歯列矯正中の歯磨きは、一旦何もつけずに磨くことがオススメです。歯磨き剤を使用しながらだと、磨き残しが多くなりがちです。しっかり時間をかけて磨いたり、磨き残しを確認したりできなくなるからです。頻繁にうがいを繰り返しながら、丁寧に磨いていくことが大切です。
口の歯垢をキレイにとった後は、フッ素化合物でしっかりと予防することが大切です。一番は、歯科医院で購入できるフッ素洗口剤で、しっかりうがいすることです。手に入りづらい場合には、市販のフッ素化合物配合の歯磨き剤でも応用可能です。
キレイに歯垢をとった後、歯ブラシで歯磨剤を口の中全体に塗っていきます。最後一口もしくは二口だけ水を口に含んで、30秒ほど口の中でクチュクチュします。それ以上のうがいは、厳禁です。口の中に歯磨き剤の味がしっかり残った状態がよい状態です。
『飲食回数は1日5回まで』が原則です。この5回には通常の食事と、喉が渇いた際の飲み物も含まれます。ただし虫歯菌に影響しないお茶、お水、コービー(ブラックに限る)などは回数にははいりません。一度に沢山食べてもかまいませんが、ひどく時間をかけたり複数回に分けたりすると良くないです。例えばアメなど比較的長い時間口の中にとどまる食べ物は、最悪の食べ物と言えます。
虫歯の危険度が高くなった状態では、悪玉菌が多い状態になっています。多少注意して歯磨きしても、歯垢が簡単に落ちていない可能性が高いです。その為、毎回歯垢を染め出して、磨き残しがない状態をつくる必要があります。染め出し液については、歯科医院や一部ドラッグストアでも購入出来ます。錠剤タイプもありますが、断然液体タイプがオススメです。液体タイプを、綿棒など使って使用してください。
虫歯の危険度が高まった状態では、積極的にガムを噛んでもらいます。ガムに配合されたキシリトールで、悪玉菌から善玉菌への交換をうながすためです。また唾液を多く分泌するためにも、積極的にガムを噛むようにします。ただし市販のガムでは矯正装置にひどく絡んでしまうので、歯科医院で購入できるキシリトールガム®やリカルデントガム®に限ります。
虫歯の危険度が非常に高い場合、歯科医院で悪玉菌を除菌することが可能です。矯正装置の上からマウスピースをつくって、その中に除菌の為の薬剤を入れて数分おくだけです。何度か繰り返す必要がありますが、悪玉菌を減らすための有効な手段です。これについては、かかりつけの医院に相談されてください。
矯正治療の治療期間は通常2〜2.5年間です。「せっかく歯並びをキレイにしたのに・・・・・・・」とならないために、その間、定期的な歯科医院でのケアとご家庭でのしっかりとしたケアがともに必要になります。