1歳半検診もしくは3歳児検診に行くと、「お子さんが、受け口(反対咬合、または下顎前突症)であること」をすでに御存知で、ひどく心配している親御さんも多いようです。
子どもの受け口の治療については、重症度の高いケースでは4歳くらいからの治療開始がオススメですが、比較的症状が軽い受け口の場合、小学校にあがるくらいから治療開始しても遅すぎることはありません。
ここでは、受け口のお子さんの簡単な重症度の判定方法について紹介します。
「切端位(せったんい)」で判定
「上下前歯の先端同士を、接触できるか否か」で、受け口の重症度をはかることができます。
上下の前歯を先端で接触する状態(または、切端位)にできるようなら、お子さんの受け口は比較的軽度といえます。そのため、前歯が永久歯に変わるときに、自然と受け口が治ることが期待できます。
ただし、自分自身で、前歯の先端同士を接触させることができない場合は、上下顎の骨格的なアンバランスが強いと言えます。
よって、前歯が永久歯に交換する時期に、受け口の状態が自然に改善することはなさそうです。早めの治療開始が必要なタイプである可能性があります。
「噛み合わせの深さ」による判定
「噛み合わせの深さ」も、受け口の重症度を判定することができます。「噛み合わせが浅いケース」、つまり上の前歯が隠れていない場合、症状は比較的軽度ということができます。
このような噛み合わせが浅いケースでは、前歯が永久歯に生え替わる時に、受け口も自然と改善するケースもあるのです。
「噛み合わせが深いケース」、つまり上の前歯が半分以上隠れるような噛み合わせの場合、受け口が重症であるということができます。
そのため、前歯が永久歯に交換する際、受け口の状態が自然に改善することはありません。放置すると、上下アゴ骨の大きさに、強いアンバランスが生じてしまうので注意が必要です。そのため、お子さんが小学校にあがる前から、治療を開始することがオススメです。
「犬歯の噛み合わせ」による判断
「上下の乳歯の噛み合わせ」で、受け口の重症度を測ることができます。上下の犬歯が接触しているか、大きく離れているかを観察するのです。
上下の犬歯が横から見て接触している場合、受け口は比較的軽度であると言えます。そのため、前歯が永久歯に変わるときに、受け口が自然に治ることが期待できます。
上下の犬歯が離れている場合、つまり下の犬歯が前方に位置している受け口は骨格的なアンバランスが強く、重症であるということができます。
そのため、前歯が永久歯に交換する時期に、受け口が自然と改善することはほとんどありません。むしろ、早めに歯科治療を開始する必要があるタイプと言えるでしょう。
まとめ
お子さんが受け口の場合、そのまま放置しても、前歯が永久歯に生えかわる際、自然と正しい噛み合わせになることが確かにあります。
ただし、それは軽度の受け口のお子さんに限った変化です。受け口が重度のお子さんでは、自然と治ることはないのです。むしろ、早期に矯正装置を使用する必要があることもあるので、両親の判断だけでそのまま様子をみることは危険なのです。
よって、受け口のお子さんをお持ちの方は、子どもの歯並びの育成について実績のある歯科医院を、まず選択することが重要です。
そして、そのような歯科医院を探したうえで、矯正相談を受けるようにしてください。