あなたは、矯正治療中の歯ぐきのトラブルに、現在、悩まされてはいませんか?
頑張って歯磨きはしているのに、「歯ぐきが腫(は)れた」、もしくは「歯ぐきの腫れがひかない」という方は、もしかすると「口呼吸(くりこきゅう)」が影響している可能性が高いです。
普段、口で呼吸している状態だと、歯磨きちゃんと行っているにもかかわらず、歯ぐきが腫れてしまったり、歯ぐきが非常に敏感で、歯ブラシをしっかりと当てることができなかったりする問題が起こりやすいのです。
そして、歯の表面につけた装置の影響により、矯正治療中は歯ぐきのトラブルが起こりやすいのです。
そのため、ここでは、口呼吸で歯ぐきが腫れやすくなる原因について説明します。
口呼吸による影響
口呼吸で歯ぐきが乾燥すると、歯ぐきに炎症が起きやすくなります。
なぜなら、歯ぐきが敏感になって、歯ブラシがしっかりと当てにくくなるからです。そして、乾燥した状態だと、細菌が繁殖しやすいからです。
たとえば、冬の肌です。乾燥した冬、とくに風が強く吹いた日に、敏感肌を経験した方は多いはずです。
肌は極端に乾燥すると敏感になるように、歯ぐきも敏感になるのです。そして、敏感になった歯ぐきの状態では、歯ブラシをしっかり当てたり、歯磨きを十分におこなうことができなかったりするのです。
また、唾液(だえき)には、リゾチウムなどの抗菌作用をもつ物質が含まれています。口の中が乾燥した状態だと、この唾液の抗菌作用が機能しなくなります。
そのため、口の中には、細菌が異常繁殖することになるのです。そして、歯ぐきに炎症を起こしたり、歯垢(しこう)が頑固で除去しにくいものになったりするのです。
口呼吸で腫れた歯ぐきのケア
ガーゼによる歯磨き
歯ぐきが炎症を起こした状態では、歯ぐきが非常に過敏なため、歯ブラシを普通にあてることも困難です。
しかも、乾燥した状態では、歯垢も頑固に歯に粘着しているので、通常の歯ブラシでは簡単に落とすことはできません。
そこで、オススメなのが「ガーゼを使った歯磨き」です。通常の歯ブラシを使った歯磨きに加えて、人差し指に巻き付けたガーゼで、歯の表面や裏側の歯垢を落とすのです。
ブラケットなどの矯正装置が歯についている場合、 ガーゼを使った歯磨きは、歯の根元、つまり歯と歯ぐきの境目だけでも十分です。この方法をしばらく繰り返すことで、1~2週間後には歯グキの痛みも治まり、通常の歯ブラシでしっかり清掃できるようになります。
歯ぐきの乾燥を防ぐ
口呼吸で歯ぐきが腫れる原因は、歯ぐきの乾燥です。
歯ぐきが乾燥すると、歯ぐきの抵抗力も低下するからです。また、歯ぐきが非常にデリケートな状態になるため、歯ブラシを普通にあてたり、歯磨き剤を使用したりすることが難しくなるケースもあるのです。
そのため、口呼吸が原因で歯ぐきが腫れているという方には、「歯ぐきの保湿」がオススメです。前歯の歯ぐきや歯に、ワセリンを塗って保湿するのです。1週間ほどワセリンを塗って湿潤すると、歯ぐきは徐々に健康な状態に生まれ変わります。
歯ぐきが過敏でなくなったら、歯磨きも通常どおり行うことができるため、歯ぐきの炎症も急激に改善することが期待できます。
まとめ
矯正治療中、歯ぐきの炎症を起こしたり腫れたりすると、非常に厄介です。なぜなら、歯ぐきが炎症を起こしていたり、腫れたりしている状態だと、矯正装置の調整をする際に非常に不快だからです。
それだけではなく、歯ぐきが腫れている様子が周囲の人にも明らかに分かるため、イメージを悪くしてしまう心配があるのです。
よって、矯正治療中に歯ぐきの炎症や腫れがなかなかひかない場合、「ガーゼを使った歯磨き」や「ワセリンを使った保湿」を試して見ることをオススメします。きっと、歯ぐきの腫れも改善し、装置の調整の際の痛みも少なくなるはずです。