乳歯が全部抜け落ちたから、そろそろ矯正を考えるべき?
でも、もう少し大きくなってからでも大丈夫じゃない?
中学生になってはじめても、遅すぎることはないでしょう・・・
もし、このように考えているのであれば、注意が必要です。なぜなら、歯列矯正を行うベストのタイミングを逃してしまう心配があるからです。
実は、噛み合わせ異常の種類によっては、永久歯が生えそろう前に本格的な歯列矯正をはじめた方が、圧倒的に有利な場合があります。
たとえば、出っ歯の歯列矯正です。ここでは、お子さんの出っ歯治療について、本格的な歯列矯正を最高のタイミング開始するメリットについて説明します。
これを読むことで、せっかくのタイミングを逃したり、タイミングを逃して後悔したりすることが無くなるはずです。
出っ歯の特徴
「上アゴが出ていることが原因で、出っ歯の噛み合わせになっている」と、思っている方は意外に多いのではないでしょうか?
しかし、実際には、上アゴが大きかったり、前方に位置していたりすることが原因で、出っ歯になっているケースは非常に稀なのです。
むしろ、下アゴの異常が出っ歯の原因になっているという方が、圧倒的に多いのです。つまり、下アゴが小さかったり、後ろに後退していたりすることが原因で、出っ歯になっているケースがほとんどなのです。
本格的な歯列矯正をはじめるタイミング
本格的に出っ歯の歯列矯正を開始するのに、最高のタイミングがあります。それは、第二次性徴期(だいにじせいちょうき)と呼ばれる時期です。
なぜなら、第二次性徴期に本格的に歯列矯正を開始することで、第二次性徴期の特徴をうまく利用することができたり、いくつかのメリットを得ることができたりするからです。
第二次性徴期が、出っ歯治療の最高のタイミングである理由
下アゴが大きく成長する
出っ歯を根本的に治すためには、第二次性徴期に歯列矯正することが有効です。なぜなら、第二次性徴の時期は、下アゴが大きく成長する時期だからです。
そのため、第二次性徴の時期に歯列矯正を開始することによって、下アゴの成長を利用したり、成長をさらに促進したりすることが可能になるのです。
そうすることによって、下アゴが小さいという出っ歯の原因に対して、直接的に改善をはかることが可能になるのです。
動かす歯の本数が少ない
第二次性徴の時期に歯列矯正をはじめることで、出っ歯を効率的に治すことができます。なぜなら、第二次性徴がはじまった時点では、7番目の奥歯、つまり第二大臼歯はまだ生えていないからです。
このことは、14本の歯を動かすことと、12本の歯を動かすことを比較すれば、容易に理解することが可能です。当然、歯の本数が少ない方が、上あごの歯を後方に移動したり、前歯を起こしたりする処置が簡単に行えるのです。
反抗期が始まる前
出っ歯の歯列矯正は、第二次性徴期の前半に開始することが有効です。なぜなら、この時期だと、本格的な反抗期がまだはじまっていないからです。
出っ歯の歯列矯正では、「顎間(がっかん)ゴム」を使用します。顎間ゴムとは、下アゴの矯正装置から、上アゴの装置に向かってかける輪ゴムをかけることです。
顎間ゴムの効果によって、下顎を前方に成長させたり、前歯の角度を修正したりすることが可能になるのです。逆に、顎間ゴムの協力が得られないと、出っ歯の治療をうまく行うことはできないのです。
また、この顎間ゴムの協力には、反抗期が大きく関係しています。なぜなら、顎間ゴムの協力が得られないというケースは、思春期の場合に圧倒的多く見かけるからです。
そのため、本格的な反抗期がはじまる時期、つまり第二次性徴がはじまって間もない時期がもっとも協力が得られやすいと言うことができるでしょう。
第二次性徴期に歯列矯正を開始するメリット
選択肢が広がる
第二次性徴期に歯列矯正を開始すると、出っ歯治療の選択肢が広がります。なぜなら、下アゴの成長をうまく利用することができるからです。
たとえば、歯の抜歯です。第二次性徴期に歯列矯正をはじめると、下アゴの成長誘導を積極的に行うことができます。
そのため、歯を抜かずに治療できる可能性が高くなるのです。
治療期間を短くできる
第二次性徴期の初期に歯列矯正をはじめることで、治療期間を短くすることができます。なぜなら、上アゴの歯を効率的に起こしたり、動かしたりしやすいからです。
たとえば、第二大臼歯が生えてしまった状態で動かす歯の本数は、全部で14本です。
しかし、第二大臼歯がまだ生えていない状態ではじめると、12本の歯を動かすだけで、出っ歯の治療を行うことができるのです。
治療結果が良い
第二次性徴期に歯列矯正をはじめることで、治療後のゴールを高い位置に設定することができます。
なぜなら、第二次性徴期に治療を開始することによって、出っ歯を根本的に治すことができるからです。
出っ歯のほとんどは、下アゴの小さかったり、後に引っ込んだりしていることが原因です。そのため、下アゴを大きくしたり、前方に誘導したりすることによって、出っ歯を改善することが理想的なのです。
まとめ
出っ歯の矯正治療は、第二次性徴が開始する時期に行うことがベストです。
この時期に、出っ歯治療を開始することができれば、下アゴが小さいという根本的な原因に対してアプローチすることができるからです。
この出っ歯治療のベストなタイミングを逃さないようにするためには、歯科医院で定期的にチェックを受けるすることが大切です。
その際は、出っ歯治療もしくは、噛み合わせ育成において実績のある歯科医院であることを確認したうえで受診するようにしてください。