八重歯(やえば)の歯並びも、10代までは、「可愛らしい」もしくは「チャーミング」ともてはやされることも多いです。
しかし、「八重歯が、似合わなくなった・・・」「八重歯が、かわいくなくなった・・・」などと、大人になると急に感じるようになります。
なぜなら、成人になると、頬やアゴ周りの筋肉が引き締まってくるからです。そして、その結果、大人っぽい顔つきになってくるからです。
そのため、成人になって「キレイな歯並びにしたい」「八重歯を無くしたい」と、矯正相談を訪れたり、実際に八重歯治療を開始したりする方の割合が増加する傾向にあるのです。
八重歯を歯列矯正する方法については、複数の方法があります。しかし、ここでは、その中でも「歯を抜いて行う歯列矯正の方法」について説明します。
なぜなら、こ歯を抜いて行う歯列矯正は、八重歯治療の中でもっとも採用される可能性が高い方法だからです。
そのため、これから八重歯の治療を考えている方は、ぜひ、一度読んでおくことをオススメします。
八重歯が発生する原因
八重歯が発生する要因として、大きく2つのことが考えられます。
八重歯が発生する原因として、最初に挙げられるのが、「アゴ骨のスペース不足」についてです。近年では、食事の栄養価が高くなったことにより、歯のサイズが大きくなっていることが分かっています。
また、一方で、軟らかい食事が増えたことで、アゴ骨のサイズが徐々に小さくなっている傾向があります。その結果、アゴ骨の中にすべての歯がキレイに並びきれないというケースが徐々に増えてきているのです。
八重歯が発生する原因として、次に挙げられるのが、「歯が生える順序」についてです。上アゴにおいて、乳歯から永久歯に生え代わる順番は、犬歯が最後です。
犬歯が生えてくる時点では、すでに犬歯が並ぶためのスペースが不足している可能性が非常に高いのです。そのため、他の歯と同じ列にキレイに並ぶことができず、外側に押し出された格好になってしまうのです。
重症の八重歯を、歯列矯正でキレイにする
八重歯の歯列矯正で、もっとも重要になるのが「犬歯を並べるためのスペースを確保する」ことです。そして、簡単に、しかも確実にそのスペースを獲得できる方法が、歯の抜歯なのです。
八重歯の歯列矯正で抜歯する歯は、犬歯の隣にある小臼歯(しょうきゅうし)です。なぜなら、この小臼歯が、犬歯に最も近い歯だからです。
犬歯の隣にスペースをつくることで、外側に押し出された犬歯を、スムーズに移動することができるからです。
小臼歯を抜いて行う八重歯治療のメリット
治療がスムーズ
小臼歯を抜いて八重歯治療を行うことで、治療期間を短くすることができます。なぜなら、小臼歯を抜くことで、犬歯を並べるためのスペースを短期間でつくり出すことができるからです。
しかも、そのスペースを、治療を行ううえで、最も理想的な場所につくることができるのです。
一方、抜歯しないで八重歯を並べる方法では、全部の奥歯を後ろに移動して、スペースをつくる必要があります。そのため、小臼歯を抜いて行う治療法に比べて、治療期間が長くなってしまうのです。
安全性が高い
小臼歯を抜いて行う八重歯治療は、比較的安全な治療であるということができます。なぜなら、この治療法で動かす歯は、犬歯だけだからです。つまり、犬歯以外の歯を、大きく動かす必要がないからです。
たとえば、小臼歯の抜歯なしで八重歯を並べる方法では、すべての奥歯を後ろに大きく移動する必要があります。そのため、治療の難度も、非常に高くなってしまいます。
歯列矯正を安全に行うためには、できるだけ簡単、できるだけシンプルな方法を選択したほうが良いのです。
小臼歯を抜いて行う八重歯治療のデメリット
食べ物がつまりやすい
小臼歯を抜いて歯列矯正すると、食事が煩(わずら)わしく感じるはずです。なぜなら、抜歯したスペースに、食べものが極端に停滞してしまうからです。
ただし、この食事が煩わしい期間も、八重歯治療の場合、短期間で済みます。なぜなら、八重歯の動きは、意外にスムーズだからです。
そのため、食事が極端にとりにくい状況も、3ヶ月ほどで改善することが期待できるでしょう。
抜いた部分が目立つ
小臼歯を抜くと、「思いきり笑うことができない」「誰かと、会話するのが恥ずかしい」などと、感じてしまうかもしれません。なぜなら、小臼歯の部分は、笑った時もしくは会話の際、周囲の人に見えてしまうところだからです。
ただし、3ヶ月もすると、犬歯がすき間に向かって移動してきます。そのため、すき間は小さくなり、徐々に目立たなくなってくるはずです。
治療中のトラブル
抜歯して間もなくは、抜歯した部分の矯正装置を変形したり、壊したりする恐れがあります。なぜなら、抜歯した部分の矯正装置は、ワイヤーが宙に浮いた格好になっているからです。
ただし、このトラブルも、しばらくすると少なくなります。なぜなら、犬歯がキレイに並んでくると、太くしっかりとしたワイヤーに交換することができるからです。
まとめ
八重歯治療の方法には、複数の選択肢があります。それらの中でも、小臼歯を抜いて行う八重歯治療は、最も採用されることが多い方法です。
なぜなら、犬歯を並べるためのスペースを、理想的な位置に作り出すことができる治療法だからです。また、そのことによって、安全にしかも短期間で、八重歯治療を完了することができるようになるのです。
よって、これから八重歯治療を考えている方、中でも「安全に治療したい」、もしくは「短期間で治療を終えたい」と希望している方は、小臼歯を抜歯する方法について相談することをオススメします。
ただし、その際は必ず「八重歯治療において実績のある歯科医院であること」を確認したうえで、矯正相談にいくようにしてください。