「口腔内スキャナー」とは、歯並びや噛み合わせの状態をデジタル・データで読み取るための医療機器です。
この医療機器を用いることによって、マウスピース矯正治療を劇的に進化させることができます。なぜなら、口腔内スキャナーは、マウスピース矯正治療における最大の欠点を補(おぎな)うことができる有効なアイテムだからです。
ここでは、マウスピース矯正治療における最大の欠点と、マウスピース矯正治療において口腔内スキャナーを用いる意義について説明します。
マウスピース矯正における欠点とは
欠点①|アライナーの密着が悪くなる
マウスピース矯正治療における最大の欠点は、アライナーと歯の密着が徐々に悪くなってしまうことです。アライナーとは、マウスピース矯正で使用するマウスピース型矯正装置のことです。
当然、歯とアライナーの密着が悪くなると、歯を正しく動かすことができません。その結果、治療期間が極端に長期化したり、満足できない仕上がりになってしまったりすることも心配されます。
アライナーの密着が悪くなる理由
歯とアライナーの密着が悪くなる原因には、大きく2つの理由が考えられます。
1つは、アライナーが、取り外し可能な装置であるということです。ワイヤーを用いる矯正治療では、歯にブラケットを貼りつけて矯正治療を行うため、矯正装置と歯の間に隙間が生じる心配はありません。
しかし、マウスピース矯正で使用するアライナーは、あくまで取り外し可能な矯正装置です。そのため、歯が移動するに従って、歯とアライナーの間に徐々に隙間が生じてしまうのはどうしても避けられないことなのです。
歯とアライナーの密着が悪くなるもう1つの理由は、歯型とり作業で作製したアライナーは、歯との密着が完璧ではないことが挙げられます。なぜなら、歯型とり作業で得られた歯型は、変形することが避けられないからです。
歯型が粗悪であるために、アライナーも粗悪なものが出来上がってしまうのです。当然、使用するアライナーが粗悪だと、歯とアライナーの間に隙間ができやすくなってしまうのです。
そのため、「アライナーは毎日使用しているのに、歯が適切に移動できていない・・・」「マウスピース矯正をはじめて2年が経過しているのに、終わる気配が一向にない・・・」などの問題が発生するケースがありえるのです。
欠点②|歯型とり作業が何度も必要
マウスピース矯正では歯列矯正を完了するまでに、歯型とり作業を何度か行う必要があります。なぜなら、歯とアライナーの密着が悪くなった場合、アライナーの作り直しする必要があるからです。
ただし、歯型とり作業は、多くの方にとって非常につらい作業です。嘔吐(えず)きやすかったり、鼻呼吸が苦手だったりする方にとっては苦痛以外のなにものでもありません。
歯型とり作業が苦しいために、マウスピース矯正を断念してしまったり、中断してしまったりする方もいらっしゃるのです。
口腔内スキャナーを用いる意義
マウスピース矯正の欠点を解決できる
口腔内スキャナーがあれば、歯にしっかり密着するアライナー(=マウスピース)を作ることができます。なぜなら、歯型とり作業を行うよりも、口腔内スキャナーで読み取ったデータの方が、歯並びや噛み合わせの状態を正確に記録することができるからです。
そのため、口腔内スキャナーを使用してマウスピース矯正治療を行った方が、しっかり歯を移動できるだけでなく、短期間で矯正治療を完了することができるのです。
苦しい歯型とり作業を回避できる
また、口腔内スキャナーがあると、歯型とり作業の苦痛を回避することができます。口腔内スキャナーでの読み取り作業は、嘔吐(えず)く心配がないだけでなく、頻繁に休憩を設けながら作業を行うことも可能だからです。
そのため、歯型採り作業ができない方でも、容易に歯並びや噛み合わせの状態を記録することができるのです。
口腔内スキャナーを用いるその他のメリット
・歯型採りの際、顔や口の周りが汚れない。
・失敗がない。そのため、歯型とりを繰り返し行うことがない。
まとめ
口腔内スキャナーを用いることで、マウスピース矯正を適切におこなうことができるようになります。そして、治療を受ける側にとっても、マウスピース矯正が快適になります。
そのため、これからマウスピース矯正を開始することを考えている方は、口腔内スキャナーがある歯科医院であることを確認したうえで矯正相談に行くようにしてください。
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